海のものと山のもの

f:id:forest-moon:20220126204435p:plain

食事は基本、自炊。疲れているときほど自分で作ったものを食べる方が回復が早いのです。普段はお弁当を作って持っていくのですが、事務所以外の場所に出かけることが多くなると、そもそもの買い物を控えてしまい冷蔵庫が空っぽ、なんてことが多々あります。そんな時に呪文のようにつぶやくのが「海のものと山のもの」。これは戦前の日本の小学校で実践されていたお弁当のルールなのです。

 

「窓ぎわのトットちゃん」をご存じでしょうか。黒柳徹子さんの小学校生活を綴ったノンフィクションは世界中で翻訳され、大ベストセラーとなりました。私がこの本を読んだのは高校生の時。トットちゃんが大切なお財布を“ポットン”つまり昔の汲み取り式のおトイレに落としてしまうエピソードを、英語の副読本として渡されたのがきっかけでした。

最初に入学した小学校を退学になり、トモエ学園に通うことになったトットちゃん。まだ学校給食など無い時代、お昼のお弁当について、トモエ学園の小林校長先生はトットちゃんのママにこう伝えました。

「海のものと山のものを入れてください」

海のものとは、海産物やそれが原料となっている加工食品。山のものは野菜や卵、お肉など、陸にいるもの、採れるものを指します。それを一つずつ入れてほしい、というのが校長先生からのお願いでした。

お弁当時間になると生徒全員が講堂に集まり、みんな輪になって食事を摂ります。広げたお弁当を校長先生が見て回り、どちらが欠けていると、後ろからついてきている先生の奥様に「海!」と言えばちくわの煮物が、「山!」と言われればお芋の煮っころがしが生徒のお弁当箱に入れてもらえるのです。なんて素晴らしいアイデアなのでしょう!海と山がそろうことで子供が劣等感を抱くことなく、楽しく食事ができたであろうことは、容易に想像がつきます。

この「海のものと山のもの」の考え方は、自分が食事を作るときに大いに役立っています。例えばメインは生姜焼きと決めたら、副菜はワカメときゅうりの酢の物とかキャベツとツナのサラダ、面倒なら蒲鉾を切るだけでOKと思えば気が楽というもの。細かいことを考えなくても、自然と栄養バランスも整います。

今の第6波では子供たちにまで感染が及び、休園や休校が増えていると聞きます。献立に頭を悩ませているお母様がいらしたら、ぜひこの「海のものと山のもの」を実践してみてほしい。何が海で何が山かを一緒に考えることは食育にもつながると思いますし、会話も弾むことでしょう。

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ

価値は自分で決める

f:id:forest-moon:20220124080628p:plain

うぅ、寒い・・・。こんな日は味噌ラーメンが無性に食べたくなります。帰り道のスーパーで買った麺とスープに、野菜を刻んで乗せれば出来上がり。いつもの、大ぶりのお椀に盛り付けます。ラーメン以外の麺ものはもちろん、具沢山みそ汁でも丼飯でも、何でも受け止めてくれる“この“器の大きい器”と出会ったのは、一人暮らしを始めたばかりの頃でした。

f:id:forest-moon:20220124074609j:plain

最初に住んだ街は、名物商店街がある東京の下町。いろんなお店が軒を連ねていて、眺め歩くだけでも良い気分転換になったものです。

ある日、いつものようにぶらぶらと商店街を歩いていると、食器を売るお店の前で大ぶりのお椀を見つけました。マグカップでみそ汁を飲む生活から、そろそろ卒業したいと思っていた頃で、

「これはいいよ。もうこんな地の厚いお椀は手に入らなくなる。柔らかいスポンジで洗ってあげれば長持ちするから買っておきな。」

お店の人にそう声を掛けられよく見れば、どんぶりとしても汁椀としてもちょうど良さそう。1つ400円ならためらう金額でもなく、その場で2つ購入しました。

あれから幾年月、ずっと手放すことなく使い続けてきた結果、1つは塗りは剥げ、だいぶみすぼらしくなってきてしまいました。けれど捨てるにはあまりにも忍びない。これって塗り替えられるのかな・・・。

何とか方法は無いものか、と探したところ、日本橋に漆の塗り替えをしてくれるお店があることがわかりました。

淡い期待を抱きお店を尋ねると

「塗り直しはできなくはないけど、これは木の粉を集めて作った器で基本は使い捨て。塗り替えは高くつくから、気の済むまで使って処分したら?」

重ねてお願いすれば請け負ってくれたかもしれませんが、高級品でなくとも気に入っていて、ずっと使い続けたいという思いを汲んでもらえないのなら、この店に依頼する必要はありません。

それでもどうしてもあきらめきれず、どのくらい探したでしょう。

「自社で販売した製品でなくても、塗り直しできるものなら何でも承ります。」

と謳っているお店を見つけた時は、体に電流が走りました。

ここならきっと直してくれる!このお店に断られたら、その時はきっぱりあきらめよう。早速、今までのいきさつと器の写真をお店にメールしたところ、塗り直しできます、とお返事をいただきました。この時の喜びは言葉にし尽くせないものがあります。

monomono.jp

 

わが子を送り出すような気持ちでお店に発送し、待つこと1か月半。マットな地肌に塗り替えられたお椀は、しばらく見ないうちに大人になって・・・といいたくなるような上品さが備わっていました。

f:id:forest-moon:20220124074632j:plain
f:id:forest-moon:20220124074612j:plain
漆で塗りなおされた器はシックで上品

確かに塗り替えは、質の良い塗り物のお椀が一つ買えるくらいの料金がかかりました。けれど私には、どんな高級品よりも価値があるお椀なのです。価格が安いとか高いとかは全く関係ない。価値は自分で決める。それはささやかな私の矜持かもしれません。

 

 

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ

第三のミッション

f:id:forest-moon:20220120203252p:plain


第三のミッション、照明計画を完成させるのは秋口、と決めていました。昼から夜へと変わっていく時間の移ろいを楽しみながら一つ一つ灯りを灯していく楽しみは、陽が短くなってくる秋以降の方が味わえます。

メインの灯りはコージーコーナーに置くことにしました。ホッとする時間は、柔らかい光で部屋を包み込みたいからシェードは布製で、クラシックな裾が広がった形か、プリーツが寄せられているもの。本を読むのもネットサーフィンをするのもここだから、手元も明るい方が良いことを考えると、上下に光が漏れるフロアスタンドタイプが最適でしょう。仕事で何回か訪れた街のカフェに置いてあったライトがまさしくそれでした。

シェードの大きさや灯りの漏れ方など、目で確かめて買いたいのですが、これまたなかなかイメージ通りの照明に巡り合えません。ネットで探してやっとみつけたのが、このフロアスタンドライトでした。

item.rakuten.co.jp

似たような形のライトはピンキリでありますが、価格の差は細部に現れるもの。スタンドの高さが変えられること、アームで位置が変えられること、色が使い込んだ真鍮のように見えること、シェードの布が少し黄味がかっているから、漏れる灯りも温かい光になるであろうこと、大きさも小さめであること、何より余計な装飾がついていないことが気に入って、我が家にお迎えしました。

リラックスチェアの横に置いてみると、クラシカルな雰囲気の照明はまるでずっと一緒に過ごしてきたかのような存在感で、新入りのチェアを優しい灯りで包み込んでくれます。強い主張はしないけれどその存在は無視できない、部屋の重鎮と言ったところでしょうか。

f:id:forest-moon:20220120203701j:plain
f:id:forest-moon:20220120203735j:plain

部屋を見渡し、フロアスタンドの灯りが届ききらないキッチンカウンターの上に、お月様の形のテーブルランプを置きました。このキッチンカウンターの上で、毎朝ハンドドリップでコーヒーを淹れることが、目覚めの儀式のようなっています。起床時間の朝5時、太陽が顔を出すまでの残り短い月明かりを楽しむようにライトを点け、空に浮かんでいる月の姿が見えなくなるころ、パチンとライトを消す。それもまた朝の儀式となりました

f:id:forest-moon:20220120203830j:plain
f:id:forest-moon:20220120203840j:plain

もう1か所、灯りがあってもいいかなと思う場所がありますが、ひとまずリビングの照明計画は一区切り。さて次は寝室側だわ。いまだに照明を置いてなく、真っ暗なんだけど。未完成だからこその楽しみはまだまだ続きそうです。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ

読書記録~シンプルな幸せのつくり方~

f:id:forest-moon:20220118191842p:plain

インスタグラムでいつも投稿を楽しみにしていたアカウントがあります。お仕事が忙しくなったのか、残念ながらしばらくお休みなさるとのことですが、その方がテーマにされていたのが“ビュッゲ”。北欧ブームになってから耳にするようになった言葉です。どの写真も素敵で憧れでもあった方の目指していた世界がどんなものか知りたくなって、紹介されていた本を借りてみました。

www.amazon.co.jp

北欧と言っても諸国色々ありますが、著者の出身地はデンマーク。「世界で最も幸せな国」の上位国だそうです。ヒュッゲはこの国独特の言葉で、近いニュアンスの言葉は北欧それぞれにあるようですが、日本語に訳すのが難しいという点に興味がわきます。言語はその国の文化・価値を表すもの。これほど美しい言語は無いだろうと思うほどの繊細さを持つ日本語の中に「ヒュッゲ」にあたる言葉が見当たらないとは驚きです。

ヒュッゲは、何か存在する「もの」ではなく、その場の空気や経験をあらわします。

ヒュッゲとは自分にやさしくすること、 自分にごほうびを与えること。そして、忙しい毎日の中でしばし手を休めて、自分にも、まわりの人たちにも、ひと息つく時間を与えることです。

概念を知れば、言葉が無いのは当然かもしれません。勤勉さを美徳としてきた日本人にとって「自分にやさしく」なんて怠け者のすることであって、決して称えられることではなかったはずです。

「24時間、戦えますか?」というキャッチフレーズが流行った時代もありました。当時はそれで良かったのだと思います。働けば働いただけ収入も増え成果も見えやすかった。24時間戦う意味と楽しさがある時代でした。でも今は違う。働くことは当たり前だけれどそれが人生の主軸ではなく、友人や家族と過ごす時間、趣味や好きなことに夢中になること、部屋の中でのんびり音楽を聴くこと・・・「自分が心地よい、楽しいと思う時間」を大切にすべき時代、優先的に考えてよい時代になってきました。日本にもやっとそうした価値観を受け止める土壌が整い始めたのは喜ばしいことだと心から思います。

実のところ、人が感じる「幸福感」のほとんどは、そんなにお金はかからないのではないかしら。このブログを書いている今も、目の前の小さなランプが作り出す光と影に、ガスファンヒーターの暖かさに、インターネットラジオから流れる気だるげな女性ボーカルに心がゆったりとほどけ、まさに「ヒュッゲな時間」を過ごしています。

ヒュッゲは、寒さの厳しい冬、雨の多い日々、分厚いベルベットのような暗闇をどうにかする対処法なのです。

~中略~

生き抜くための手段と言い換えてもいいでしょう。

暗いニュースが多く、ともすると心配事や不安感に心を占領されがちですが、少し目線を変えれば、毎日の生活は「ヒュッゲ」にあふれているのかもしれません。

 

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ

青森・奥入瀬の旅~奥入瀬渓流散策~

f:id:forest-moon:20220118160843p:plain

食事をとる、温泉でリラックス、本を読む、ティータイムを楽しむ、本を読む、食事をとる、その前後に温泉でリラックス、寝る前に本を読む。心と体の気が向くことだけをしてあげよう、と決めた2泊3日の旅。

アクティビティに参加して、奥入瀬の自然の美しさにすっかり魅せられてしまって自分の足でも歩きたくなり、散歩に出かけました。

渓流沿いには遊歩道があるはずなのだけれど、雪に埋もれ、どこが境なのかわかりません。うかつに歩いて転落しては大変なことになります。残念だけれど安全そうなところを選んで、行けるところまで行ってみましょう。

f:id:forest-moon:20220118160747j:plain
f:id:forest-moon:20220118160744j:plain

天気はうす曇り。雲の切れ間から時々太陽が顔をのぞかせます。気温はマイナス2℃なのですが、寒さは感じません。これは本当に驚きでした。雪が降っているのか、風に飛ばされているだけなのか、陽光を受けてキラキラと輝きながら舞い散る中、誰もいないのでマスクを外し、思いっきり新鮮な空気を吸い込む。甘い・・・。雪の香りなのかしら、それも森の香り?

f:id:forest-moon:20220118160817j:plain

深呼吸をして空を見上げると、葉を落とした木々の枝が、水墨画のように伸びています。その枝ぶりは人生ならぬ木生と言ったら良いのでしょうか、それぞれの木が生きてきた道のりに見え、どれもが一つ残らず美しいのです。冬は緑豊かな時期には見られない、森の心と触れ合える季節なのかもしれません。

f:id:forest-moon:20220118160738j:plain
f:id:forest-moon:20220118160814j:plain
ふかふかのベルベットのような雪

昨夜降った雪が景色を塗り替えたようで、あたり一面、清々しいほどの白さ。高級なベルベットのように見えるそれを手に取ってみると、冷たさと共に感じたのは軽さでした。今でこそ数年に1回くらいしか積もるほどの雪は降らなくなりましたが、私が子供のころは、ひと冬に必ず、雪だるまが作れるくらいの雪が降ったものです。遠い記憶をたどって思い起こした雪の感覚と、今、手の中にある雪は明らかに違っていました。これをパウダースノーというのかしら。日本の上質な雪を求めて、世界中からスキーヤーがやってくると言うニュースを聞いたことがあります。日本人に見捨てられた雪深い街の不動産を、外国人がこぞって買い求めているとも。このさらりとした感触がスキーヤーたちを虜にしているのは、ウインタースポーツをしない私にもわかる気がします。

f:id:forest-moon:20220118160741j:plain

少し雲が多くなり、風が強くなってきました。急に天気が悪くなって、帰るに帰れない状況になっても困ります。五感もたっぷり開放してあげたので、そろそろ引き返しましょう。草花が芽吹く春、緑濃き夏、極彩色に彩られる秋、それぞれの美しさを堪能したくなる奥入瀬。また絶対来るね、と森につぶやき、帰途に着いたのでした。

 

アイキャッチの写真は何も加工していない、素のままの奥入瀬の森です。墨絵のようで本当にきれい。

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ

青森・奥入瀬の旅~あら、りんご~

f:id:forest-moon:20220116212205p:plain

 

ホテルは国立公園近くにある故、もともと周辺にお店が少ないうえに、冬の間は休業期間となってしまうようで、立ち寄れるお店は限られてしまいます。だから「奥入瀬湧水館」と「奥入瀬渓流館」は、冬でも開いている貴重な施設。ホテルの隣にあり、しかもどちらもカフェが併設されていますので、散歩の前後に気軽に立ち寄れます。

特に渓流館にはリンゴ専門のカフェがあり、スイーツやドリンクをいただけます。

 

f:id:forest-moon:20220115214706j:plain

 

alaringo.com

都心にあってもおかしくないコンセプトとクオリティのお店だなと思ったら、本店は神戸・三宮にあるのだそう。納得、納得。ランチを食べたいと思うほどお腹は空いていないけれど、ちょっと小腹を満たしたい、お部屋でカフェタイムを楽しみたいというときにはぴったりだと思います。

ショーウインドのスイーツはどれもおいしそうで、散々迷った挙句、りんごパイとりんごサイダーを買ってお部屋でゆっくり楽しむ事にしました。

 

f:id:forest-moon:20220115213911j:plain
f:id:forest-moon:20220115213920j:plain
リンゴそのものの味が活かされているパイとサイダー

フィリングとして詰めるのではなく、パイ生地の上に乗せることでりんごそのもの味が楽しめるパイは、クリスピーな生地とほのかな甘さを添えるクリームがりんごの美味しさを引き立てています。これ、癖になる。

りんごサイダーもまた、甘味料や強い炭酸でごまかすのでなく、りんごの優しい甘みが活かされていました。

実はわたくし、りんごがあまり好きではないのです。いや、好きではなかったと言うべきかしら、青森を訪問するまでは。自分で買うことはまず無いし、頂いても「困ったな・・・」とじゃけんに思う始末。でもこの旅でりんごの美味しさに触れ、今までの無礼を詫びたくなりました。こんなに美味しい果物だとは!

ホテルでウエルカムドリンクとしていただける「りんご茶」も、はまったものの一つです。干したりんごだけで作られている、無添加、無香料のノンカフェインドリンク。売店で売っていたので、自分用のお土産に購入しました。抽出し終わった後の、残ったリンゴはそのまま食べてもいいし、ヨーグルトなどに入れても良いし、部屋にそのまま置いておいても、ほのかな甘さのある優しい香りの芳香剤にもなります。

夕食のバイキングでは、豚肉と一緒にを炒めたりんごのお料理もあったっけ。この冬は積極的にりんごを取り入れてみようと思います。

 

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ

青森・奥入瀬の旅~氷瀑ライトアップツアー~

f:id:forest-moon:20220112154749p:plain

このホテルでは、宿泊者向けに季節ごとのアクティビティーが用意されています。初日の夜はさっそく目当ての「氷瀑ライトアップツアー」に参加してみました。

奥入瀬渓流は国立公園のため、ライトを常時設置することができません。このツアーの為に特別に開発したライトを乗せた車と一緒に現地に向かい、ツアーの間だけ漆黒の闇に浮かぶ幻想的な氷瀑を楽しむ事が出来るのです。

まず向かったの馬門岩(まかどいわ)。ポスターで見た氷瀑はここで出来るものです。さぞかし立派な滝があると思いきや、実はブナの木から出るしずくが冬にはつららとなり、それが集まって氷瀑になるのだそうです。訪れた12月はまだまだ小さく色も白っぽいのですが、厳冬期になるにつれ厚くなり、澄んだ青へと変化していくとの事。その時期にまた見に来たいものです。

f:id:forest-moon:20220112135807j:plain
f:id:forest-moon:20220112135757j:plain
冬にだけ見られる自然の造形美

続いて案内されたのは三乱の流れ。奥入瀬を代表する渓流美が見られるところだそうで、しんと静まり返った森は崇高さにあふれ、どこか温かく人を包み込むような包容力も感じます。ちらちらと降り始めた雪もまた、穢れを洗い清めてくれるよう。源流となる十和田湖には龍神伝説があるそうで、昇華されたパワーも一緒に運ばれてきているのかもしれません。

f:id:forest-moon:20220112135842j:plain
f:id:forest-moon:20220112135852j:plain
静寂と崇高さのある森

翌朝は早起きして「冬の奥入瀬渓流ツアー」に参加。バスに乗って見どころをガイドさんが案内してくれます。目覚めきる前の朝の森はまだ眠たげで、昨夜降った雪の白さにまぶしさを感じているようでした。日本の自然はどこも人間的で優しいけれど、奥入瀬は特にそれを感じる。自然の中すべてに神がいると信じて寄り添ってきた日本人の、精神文化のルーツがここにあるような気がします。

 

両ツアーとも参加した時の気温はマイナス2~3℃。雪国が初めての私は「寒いのは耐えられない」とばかりに防寒具を買って、スーツケースに詰め込んできたけれど、実際使うことはありませんでした。湿気が多いせいでしょう、温かいというと語弊があるかもしれませんが、気温のわりに寒くない。住んでいる地域の方が寒く感じるほどです。ずいぶん昔に雪国出身の方が「関東の冬は寒い!!身を刻まれるような寒さだね。」と言っていた意味がやっとわかりました。

ツアーを含め、滞在中は程よく雪が積もってきれいな雪景色が見られ、雪国初心者でも日中、散歩に出かけられるくらいの天候に恵まれたことは幸いでした。奥入瀬の森に棲む精霊たちが、歓迎してくれたのだということにしておきましょう。

 

 

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 暮らしを楽しむへ