自分に戻る場所


この部屋に移り住んで、半年が経ちました。

最寄駅から近く、にぎやかな商業エリアの一角にあった前の部屋とは正反対の環境に、引っ越してきた当初は、本当にこの部屋に決めて良かったのか、もう少し検討してからでも良かったんじゃないだろうか、と迷いもありましたが、住み始めてみれば、採光も日当たりも良く、たまに走り去る車の音がするだけの静かな環境に心が落ち着き、今ではとても気に入っています。

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休日にはハイキングや小旅行に出かけて過ごすことが当たり前だった生活から一転、家にこもらざるを得なくなって約2年。

感染者数が減って、規制が緩和されてもなお、マスクを外せない生活に変わりはなく、家に居る方がむしろのびやかに過ごせると感じることが多くなりました。

今まで部屋は、社会生活を営むための楽屋、拠点、ベースであって、食事を摂り身を清め、体を休めることができればそれで良かった。くつろぎやリラックスを、部屋の中に求めることは無かったのです。社会の枠に自分を押し込める日常から、心や感覚を伸びやかに飛翔させ、解放してあげられるのは、森の中であったり、湖のそばであったり、広い空のもと、自然と対話できる場所でした。

そんな場所にすら、自由に行けなくなる日が来るなんて・・・。別の方法で、自分を取り戻す場所を作らなくては。

そんな思いもあって7年ぶりの引越を決意したのです。

引っ越してきた最初の夜、部屋の窓からは大きな丸い月と、その近くに明るく輝く星が見えました。

なんてきれいなんだろう・・・。

まるで森の中の一軒家で夜空を眺めているみたいに思えたとき、確信したことがあります。ここなら、この部屋なら自由になれる、と。

この場には、自分に戻る場所を得た私が、感じたことを思ったままに綴ることになるでしょう。それが受け入れられるのか、不快に思われるのかはわかりません。それでよいのです。この場もまた、心の飛翔の場なのですから。