読書記録~シンプルな幸せのつくり方~

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インスタグラムでいつも投稿を楽しみにしていたアカウントがあります。お仕事が忙しくなったのか、残念ながらしばらくお休みなさるとのことですが、その方がテーマにされていたのが“ビュッゲ”。北欧ブームになってから耳にするようになった言葉です。どの写真も素敵で憧れでもあった方の目指していた世界がどんなものか知りたくなって、紹介されていた本を借りてみました。

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北欧と言っても諸国色々ありますが、著者の出身地はデンマーク。「世界で最も幸せな国」の上位国だそうです。ヒュッゲはこの国独特の言葉で、近いニュアンスの言葉は北欧それぞれにあるようですが、日本語に訳すのが難しいという点に興味がわきます。言語はその国の文化・価値を表すもの。これほど美しい言語は無いだろうと思うほどの繊細さを持つ日本語の中に「ヒュッゲ」にあたる言葉が見当たらないとは驚きです。

ヒュッゲは、何か存在する「もの」ではなく、その場の空気や経験をあらわします。

ヒュッゲとは自分にやさしくすること、 自分にごほうびを与えること。そして、忙しい毎日の中でしばし手を休めて、自分にも、まわりの人たちにも、ひと息つく時間を与えることです。

概念を知れば、言葉が無いのは当然かもしれません。勤勉さを美徳としてきた日本人にとって「自分にやさしく」なんて怠け者のすることであって、決して称えられることではなかったはずです。

「24時間、戦えますか?」というキャッチフレーズが流行った時代もありました。当時はそれで良かったのだと思います。働けば働いただけ収入も増え成果も見えやすかった。24時間戦う意味と楽しさがある時代でした。でも今は違う。働くことは当たり前だけれどそれが人生の主軸ではなく、友人や家族と過ごす時間、趣味や好きなことに夢中になること、部屋の中でのんびり音楽を聴くこと・・・「自分が心地よい、楽しいと思う時間」を大切にすべき時代、優先的に考えてよい時代になってきました。日本にもやっとそうした価値観を受け止める土壌が整い始めたのは喜ばしいことだと心から思います。

実のところ、人が感じる「幸福感」のほとんどは、そんなにお金はかからないのではないかしら。このブログを書いている今も、目の前の小さなランプが作り出す光と影に、ガスファンヒーターの暖かさに、インターネットラジオから流れる気だるげな女性ボーカルに心がゆったりとほどけ、まさに「ヒュッゲな時間」を過ごしています。

ヒュッゲは、寒さの厳しい冬、雨の多い日々、分厚いベルベットのような暗闇をどうにかする対処法なのです。

~中略~

生き抜くための手段と言い換えてもいいでしょう。

暗いニュースが多く、ともすると心配事や不安感に心を占領されがちですが、少し目線を変えれば、毎日の生活は「ヒュッゲ」にあふれているのかもしれません。

 

 

 

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