読書~「光の家具」照明~

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意識して選んでいるわけでないのだけれど、住む部屋の近くには必ず図書館があります。今の部屋もまさに歩いて数分のところに図書館があり、雑誌の最新刊をチェックしたり、興味ある分野の棚から面白そうな本を手に取って借りてみたりと、自分の本棚代わりに利用しています。

この本を図書館で見つけたのは、ちょうど引っ越しの片づけが落ち着き、さて例の照明計画をどうやって練ろうか・・・と考えていた時期。インテリアの専門書以外で、照明に特化した本は珍しく、手に取ってぱらぱらとめくってみると、私も疑問に思っている日本と欧米の照明文化の違いに触れているではありませんか。これは読まねば!

 

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著者の本業は本の装丁で、写真家としてもご活躍とのことですが、そもそも絵も写真も「光と影」を織りなす表現方法。私もつたない写真を撮ることがありますが、光の強弱、それによって作り出させる影の形で、同じ被写体でも全く違う表情が写しだされます。プロとして活躍している著者なら尚の事、自宅の「光(照明)」にこだわりたくなるのも無理はありません。自身の実体験を基に、空間のつくり方を提案してくれていますが、いわゆる「ハウツー本」「ノウハウ本」とは少し違います。アマゾンの紹介文にはこうあります。

 

夜は明かりを楽しむための時間――。
豊かなくつろぎを手に入れるための、明かりの使い方と考え方がいっぱい!

~中略~


蛍光灯では得られない繊細で柔らかな光を使いこなして、インテリアに安らぎとくつろぎを。照明でやさしさと潤いのある豊かな暮らしを提案する、上品な装丁のおしゃれな一冊です

 

私が照明や照明器具に興味を持ったのは、スペインを旅行した時です。日本の新幹線にあたる特急に乗り、食堂車の席に座ると、そこには壁付けの小さなシェードランプが設置されていました。もう30年近く前の事です。当時、新幹線にも食堂車があったはずですが、白々とした蛍光灯の明かりにさらされているそれとは、雰囲気が全く違う。小さなクラシカルなシェードランプ一つで、コーヒーや軽食をいただくだけのカジュアルなカフェのような空間が、こんなにも豊かになることを知った最初の経験でした。

読了後の今は好みの間接照明を手に入れ、朝、まだまどろんでいる時の灯り、くつろぐときの灯り、こうしてブログを更新するときの灯り、と使い分けています。この本を読んだ人はきっと、自分の愛する空間のために、最高の灯りを探したくなることでしょう。