第五のミッション~出窓~

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残業の荒波を潜り抜け、ようやく時間が取れるようになったと思ったら、もう4月を迎えていました。

日の出もびっくりするほど早くなり、そろそろ本格的に窓まわり問題の解決を図り始めないといけません。この部屋は採光も日当たりも良すぎるくらいなのはありがたいことなのですが、周囲に高い建物が無いせいもあって、時期によっては直射日光が入ってきます。これからの季節は特に、東側にある出窓から朝の光が差し込んできてまぶしいのが困りもの。こんなに大きな台形出窓にしなくても、バルコニー側の窓だけで採光基準はクリアできただろうにと思うものの、これがあるからこそ、部屋が広く見えているのも確かです。出窓の良さを活かす日差しの遮り方を考えるべきでしょう。

最初の計画はガラスに目隠しシートを貼り、カーテンレールには麻素材の生地をかける予定でした。素敵な和紙タイプの目隠しシートも見つけました。

item.rakuten.co.jp

しかし網入りガラスにはそもそもシートを貼ることができないではありませんか。計画は変更を余儀なくされたのです。

それでも紙素材を使うことはあきらめきれませんでした。お正月に帰省した時に見た、障子を通して差し込む光のあの柔らかさを、ぜひとも部屋で再現したかったのです。

そこで見つけたのがロール状になった和紙の包装紙。窓に合わせて大きさが調整できるし、バルコニー側の掃き出し窓にもレースのカーテン代わりに使えそうです。

store.shopping.yahoo.co.jp

まず試してみるのは、台形型の横辺にあたる部分は開閉ができないFIX窓。ここならサッシに直接貼り付けても問題ありません。窓の幅に合わせて切った和紙をのれんのように下げてみると、まぶしさはそれなりに防げますが、1枚だけでは日差しがより強くなるこれからの季節は心もとない。作り直すときには2枚重ねにした方が良さそうです。

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まだまだ改善の余地がありそうですが、このアイデアが定着したら本物の手すきの和紙を使ってみたいと思っています。

washi-asakura.com

真ん中の引き違い窓には細い枝が折り重なっているようなデザインの、綿と麻の混紡の布を吊るしました。

www.nunocoto-fabric.com

思ったよりも薄めなので 柄が目立たないのは想定外。それに空間が大きい分、シンプルすぎて面白みに欠けます。高低差をつけて小物を置くか、プリーツを寄せるなり結ぶなりして布自体に動きを出すか・・・。和紙も利用しながらもう一工夫が必要だわ。作戦練り直しです。

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神秘の花

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ネットで偶然見かけた写真に心惹れ、その風景なり実物なりを実際に見てみたくなる時があります。「ヒスイカズラ」を知った時もそうでした。植物にとって作り出すのが難しいとされている「青」。それをこんなにも見事に、優雅に咲かせる花があると知った時、絶対に見に行かねば!と心に誓ったのでした。

フィリピンのルソン島など、限られた島にだけ自生しているこの花は、近年の熱帯雨林の減少により絶滅が危惧されているとのこと。緑濃きジャングルの中に、どこまでも透き通るフィリピンの海の色を再現したような花が日の光を受けて輝くさまは、さぞかし幻想的でしょう。

関東でもいくつかの熱帯植物園で鑑賞することができるようですが、今回はドライブもかねて、とちぎ花センターに行ってきました。

www.florence.jp

ここは観光を目的としたフラワーガーテンと言うより、地元の方たちの園芸促進を目的とした施設といった感じ。華やかさはありませんが、大きくて立派な熱帯植物園を備えています。

入ってすぐにランの企画展が催されていました。

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ランのような熱帯の花は、原種に近くなればなるほど、グロテスクだなと思うことがあります。形がきれいであるよりも、香りや色で自己の存在を主張することが、シャングルで生き延びる術なのかもしれません。

個性豊かな植物たちの森を抜け視界が開けると、目の前に独特の形をした美しいエメラルドグリーンのヒスイカズラが現れました。

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通常は3月中旬から咲き始めるそうですが、今年は3月下旬にやっと開花。歴代2位の遅さだったそうです。一定の温度と湿度に保たれている温室の中で育っていても、つい最近までの外の寒さを感じ取っているとしたら、自然の能力ってすごい。

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出口でアンケートに答えたお礼として、神様がつくりたもうた神秘の花をいただきました。(もちろん落ちた花です)

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このまま押し花にして取っておきたいくらいですが、半年もすれば色が抜けてしまうので向いていないのだとか。確かに1日たった今、美しかった水色がだいぶ白っぽくなってきています。ヒスイカズラ花言葉「私を忘れないで」はこんな儚さを表しているのかもしれません。でもしかし、一度見たら決して忘れないでしょう、神秘的で美しいこの花のことは。

 

 

読書記録~0メートルの旅

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旅と言うのが、生活圏から離れた場所へ行く事と定義するなら、「0メートルの旅」は旅にあらず、と言うことになるかもしれません。

この実に不思議なタイトルの本は、調べてみると普通の会社員兼大人気の旅ブロガーが自身の経験をまとめたものだそう。タイトルもさることながら「日常を引き剥がす16の物語」とある副題にも何か大きな意味を含んでいそうで、大変興味をそそられます。

www.diamond.co.jp

自宅を起点とし、最初は遠く離れた南極、そこからアジア~自宅のある街へと旅の舞台は移り、最後は部屋でエアロバイクをこぎ続ける旅で締めくくられる16の物語。そのすべてが「これは作者が憧れる旅のスタイルを想像したフィクションです」と言われた方が納得がいくくらい、奇想天外な体験ばかりなのです。私も個人手配で外国に一人旅を何度か経験しているだけに、うらやましいやら、こんな目には会いたくないと思うやら。

旅先が自宅に近づくにつれ、当然のことながら移動距離は短くなる。そうなると魅力はなくなるのか、旅とはそもそも何か、と言った命題に作者は近づいていきます。

いつものパジャマも裏返しになると、まるで別の服を着ているように見える。そんな小さな発見が、一日のハイライトになる。

美しい景色を見に行ったり、美味しいものを食べに行ったり、そういうものだけが旅ではない。旅とは消費するだけでなく、ときには創りあげる行為である。

中略

想像力を膨らませること、些細な巡り合いに興味を持つこと。そういうことを繰り返していれば、近所にだって旅は創れる。

新鮮な驚きに出会えること、新しい物語に巡り合うことが旅の魅力ではないかと考えながら、部屋の中でエアロバイクを漕ぐだけの、バーチャルな日本列島縦断の旅に出る。それが終わった時、確信をもってたどり着いた旅の正体に、私は大いに共感をしています。

この本はちょっと悲惨とも思える出来事ですら一緒に体験してみたいと思わせてしまう文章力の高さが魅力の一つですが、「近所編」で見せる、どこか狂気をはらんだ粘り強さもまた魅力でしょう。びっくりするような、あんな体験もこんな体験もどうやら性格のなせる業と言えそうです。だったら私には無理ね。ホッとするやら、残念なやら。

 

サバイバルは突然に

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確かに数日前から調子が悪かったのです。ついたり、つかなかったり。そしてそれは突然やってきました、それも一番なってほしくないタイミングで。

シングルレバーの蛇口をお湯側に切り替えても温かい水が出てこない。そんな現象が数日前から起きていました。土曜日の朝、髪を洗い終え体を洗う間、シャワーを止めるかどうか迷いました。止めたら最後、お湯が出なくなるかもしれない。普通ならその危険を冒かすことはしないでしょう。まだ水は冷たく、荒行でもない限り浴びることはしたくありません。でもここが私の悪いところ、と言うかアホなところ。止めたらどうなるか、吉と出るか凶と出るか、興味を抑えられず止めたのです。

えぇ、予想通りお湯は出ません。祈る気持ちで何度スイッチを入れなおしても、勢いよく蛇口をひねっても出るのは冷たい水ばかり。修理なり交換なりしてもらえるだろうけど、泡だらけのまま、はた、と立ち止まりました。すぐに交換してもらえる・・・のか?

世は空前の半導体不足。それによって生活に必要な家電すら手に入りにくくなっているとさんざん報道されているではありませんか。社内にも給湯器が故障して手に入らず、もう1か月近く銭湯通いをしている人がいます。私もしばらくはサバイバル生活だな、と覚悟を決め、体を拭くウェットタオル、水のいらないシャンプーを購入したのです。

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月曜日、管理会社から頼まれたという業者から連絡が入りました。

「交換に伺います。都合の良い日を教えてください。」

「最短でいつになりますか?」

「明日の午前中から可能です。」

へ?ホント?!そんなに早く?!

半信半疑でしたが無事交換してもらうことができ、突然のサバイバルはわずか2日で終わったのでした。今回は幸運にもすぐに不便が解消されましたが、3・11を前に防災について考える機会を持てたのは、良いことだったと思います。

購入した、体を拭くウェットタオルは全身を清めるには小さく、ボディタオルくらいの大きさが無いと拭きづらいと知りました。水のいらないジャンプーは、手袋型の方が楽だし、頭皮の汚れを拭きとりやすいでしょう。実際使ってみてわかったことでした。食料はみんなと分け合うことができますが、自分の健康や安全は自分で守るしかありません。身を清めて衛生状態を良好に保つことは、災難を乗り切るチカラの源になる気がします。あれから11年、日常がつつがなく過ごせることに感謝し、備えを見直してみたいと思います。

 

冬のカケラ

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ふぅ、やれやれ・・・仕事から帰ってきて、腰を落ち着ける前に洗濯物を取り込もうとベランダに出ると、明るい一つ星が見えた。誘われるように少し身を乗り出して夜空を眺めると、3つ並んだ星が見える。その星々を中心に4つの星が四角形を描く。あれって・・・オリオン座?洗濯物を急いで取り込み、ネットで検索すると、間違いなくオリオン座だ。冬の夜空に輝く代表的な星座だと書かれていた。

うわぁ。こんなにきれいに星座が見られるなんて。

ひときわ輝く星々を結んだ「冬の大三角」も確認できる。はるか昔に名付けられた星座が、悠久の時を経てもなあ、天空で輝きを放っている。今見ているこの光は、何年かけて地球に届いているのだろう。気の遠くなるような時間と宇宙の壮大さに眩暈がしそうだ。寒さも忘れ、夜空に描かれる星の世界にしばし眺め入ってしまった。

次の日の朝。

珈琲を入れようとキッチンカウンターの前に立つと、カーテンのすき間から三日月が見えた。いつもより黄色く見えるそれは、決して派手ではないのに目が離せなくなる妖しさと鋭さがある。こんな刀があったらきっと妖刀と呼ばれたに違いない、などど考えながらドリッパーにセットした珈琲にお湯を注ぐ。真冬の時期はあんなに真っ白だった湯気が日増しにその色を無くしていくさまに、春が一歩一歩確実に近づいていることを感じる。季節の移り変わりを教えてくれるのは、いつもこんな何気ない日常の一コマだ。

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部屋の中はいつも満月

太陽だって立春の声を聴いて以来、俄然やる気を出し始め、6時を前にして顔を出す。つい最近まで日の出を待ち遠しく思っていたのがウソのようだ。まもなく小鳥たちの恋の季節となり、朝早くからにぎやかになることを思うと、この静けさを楽しめるのもあとわずかだろう。

気温は15度を超える日が続くでしょう。花粉も飛び始めます。

ニュースは春の到来を告げるけれど、日常の中にはまだ冬のカケラが残っている。そのカケラを拾い集めて、過ぎ去る冬をもう少しだけ感じていたい。

花から学ぶカラーコーディネイト

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週末、コージーコーナーに座ってお茶を飲みながら改めて部屋を眺めてみると、少しずつ、でも着実に我が家の風景が出来上がってきているな、と感じます。一つの問題が解決すると次の問題や“アラ”が見え始めるのがインテリアの面白いところであり、悩ましいところ。配線はぐちゃぐちゃのままだし、キッチンカウンターの背板の白さが、のっぺりとしていて気になります。壁紙を張ろうか、それとも写真を飾ろうか、いやいやグリーンウォールのようにしても面白いかも。いずれにせよ面積が大きい分、綿密に色計画を立てないといけません。そんな時、私の中でスローガンになっている言葉が思い浮かびます。

カラーコーディネイトするときは、花の色(自然の色)を参考に。

こう言っていたのは私にとって心の師匠であり、憧れの人であり、永遠のミューズである津田晴美さん。インテリアプランナーとして活躍しながら、数々のエッセイ本を出版しておられます。情報が乏しかった時代、世界各国のインテリアや人々の暮らしぶりが綴られた津田さんのエッセイを、夢中で読んだ経験があるのは私だけではないでしょう。

エッセイから学んだことはたくさんありますが、カラーコーディネイトの考え方は、旅と自然が大好きな津田さんならではのアプローチ。久しぶりに津田さんの本が読みたくなって借りた一冊に、その一文が出てきました。

カラーコーディネイトをするときに、私はよく花の色を思い浮かべる。一本の花の花びらと花芯、茎と葉、これは実に完璧なバランスで成り立っている。

~「毎日が旅じたく“花の色、果物の色”」より~

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津田さんのイラストは温かさがあってとても好き

例えば津田さんが大好きだというカラーは、白~アイボリー~淡いグリーン~鮮やかなグリーンへとグラデーションがかかり、彩度の高い緑色の葉と続いていきます。花1本からできるだけたくさんの色を抜き出し、バランスを学ぶ。果物や夕暮れの空、鳥の羽も同様に、自然の色の組み合わせは色選びのガイドになると教えてくれています。

セミナーでは、自分が好きな花のカラーパレットを、絵の具を使って作り出す作業をしたと他の著書に書かれていたのを覚えていますが、DESIGN-SEEDSと言うサイトがまさにそれ。時折眺めては、その組み合わせの妙にため息をついています。

肌が生き生きと見える色、食事がおいしく見える色。そうやって日常のこまごまとしたものの色にしょっちゅう気を使い続けることは根気と時間のかかる作業かもしれない。

最初は面倒でもそれを習慣にする。やがて暮らしの色を楽しむことに繋がって、色彩感覚は身についてゆくのだと思う。

~「毎日が旅じたく“毎日の色を楽しむ”」より~

キッチンカウンター裏をどうするかは、原点に立ち返ってもう一度考えてみよう。津田さんの本を読んだら、安易に決めてはいけないと改めて思ったのです。ありがとう、津田さん。やはりあなたは私の永遠のミューズです。

第四のミッション~オーダー家具、到着~

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1月にオーダーしたテーブルと椅子が、思ったより早く到着しました。

お世話になったのは合羽橋に店舗があるS-CUBICさん。合羽橋には食器を買いに何度も訪れていて、そのたび、のぞかせてもらっていましたが、家具を注文するご縁までには至っていませんでした。引っ越しに伴い、テーブルと椅子が必要になった時、真っ先に思い浮かんだのがS-CUBICさんだったのです。

www.s-cubic.net

飲食店向けの家具を扱っておいでですが、この会社のオリジナル商品なら大きさや高さを1台、1脚からオーダーできるとのこと。引っ越して以来、どんな感じにしたいかをずっと考えていたのでイメージはほぼ固まっていましたが、十分に策を練ってからお願いすることにしました。

経験上、座りやすいと思う椅子は、座面の幅は狭くても奥行きが深いもの。休日の昼下がり、その椅子に座って本を読んだり手帳を書いたりする時間を楽しむのだろうから、長時間座っていても疲れない、適度なクッション性のある座面がいいはず。合わせるテーブルは一本足のカフェタイプ。カジュアル感が出るんじゃないかしら。この部屋全体のテーマである“森の中の一軒家”に似あう、木を伐り出して作ったようなテーブルと、体全体を包み込んでくれる包容力のある椅子を買おう。

明確にイメージを固めてから伺ったはずなのに、いざとなると迷う迷う(笑)人間とは勝手なもので、あるモノから選べ、と言われると不満を持ち、自由に決めて良いとなると不安を持つ。オーダーするというのは自分の決断に責任を持つことでもあるのだとつくづく思いました。

最終的に選んだテーブルはアッシュというのでしょうか、老木の木肌を思わせるな色。イメージに近い突板の天板が無く化粧合板にしましたが、最近は本物と見まごうほど精密にできています。椅子の張地は、光の加減によって若草にも深い森に生える苔の色にも見える緑色のツイード。使い続けて擦れてきたとしてもそれもまた味わいに代わってくれるでしょう。足は深めの茶色にして、葉の生い茂る木をイメージしてみました。

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うん、いい感じ。さっそく椅子に座ってみます。小柄な私に合う高さにしてもらったので、足がプラプラと宙に浮くことがなく、座っていてとても楽。オーダー時、天板のサンプルが無く、カタログのみで判断しなければならなかったので一抹の不安があったテーブルも、ざらりとした手触りが感じられそうな木目のきれいなプリントに一安心です。

先週買った椿の枝を置いてみると、あら、いいじゃない。このテーブルにはかわいらしい花よりも。枝ものか、日本の野に咲く花が似合いそうです。

さぁ、これで部屋の背骨はできました。お次のミッションは窓まわり。日当たりや採光が良いのはありがたいのだけれど、太陽の角度によって直射日光が差し込んでくるのです。夏が来るまでには完了させなければ。