春告サラダ

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季節感や旬を大事にしながら暮らしたいと思いつつ、忙しさを言い訳におろそかにしてしまう日々。最近は四季の境目が薄れてきたとはいえ、その時期にしか見られない風景、その時期だけの味が、季節の移ろいと共に必ずあります。気軽に遠出ができなくなってからは、花屋さんの店先に飾られている花々に、スーパーに並ぶ野菜に、その変化を見つけに行くのが楽しみとなりました。

特に近くにある商業施設の中のマルシェは、季節によって並ぶ野菜が変わってわかりやすい。淡いパステルトーンの春野菜が日に日に多くなり、本格的な春がすぐそこまでやってきているのを実感します。白く柔らかそうな新玉ねぎを見つけたら、この時期にしか味わえない簡単サラダを作りましょう。

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用意するものは、新玉ねぎ、カッテージチーズ、黒コショウ、オリーブオイルの4つだけ。

薄くスライスした新玉ねぎの上にカッテージチーズをのせ、黒コショウを振る。仕上げにオリーブオイルをひと垂らししたら出来上がり。玉ねぎは水にさらす必要はありません。黒コショウはミルで挽くタイプの方がアクセントになります。オリーブオイルはその時家にあるモノで十分ですが、緑色の薫り高いエクストラオリーブオイルだとより一層玉ねぎの甘みを感じることができるでしょう。

これは買ってきたら早めに作ることをおススメします。日が経つと新玉ねぎといえど、“ひねた”感じの辛みが出てきます。それも嫌いではないのですが、やっぱりこのサラダは玉ねぎの甘みがおいしさのベース。春が来たことを告げるこの時期限定の簡単サラダは、我が家の定番となっています。春はこれからが本番。当分楽しめそうです。

 

 

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春を探しに

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気温10度を下回る日が続いていても、暦の上では春。いつもならロウバイの甘い香りに包まれたくて遠出をしているけれど、今の状況を考えると出かけにくい。迷ったけれど体の健康と同じく心の健康も大事と思い、昭和記念公園で春を探すことにしました。

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昔は嫌いだった冬枯れの時期を、美しいと感じるようになったのはいつからかしら。四季折々、花が咲き乱れることで有名な公園も今はまだ冬の表情。葉を落とした枝の間から、のどかな日の光が降り注いでいます。早咲きの梅が咲いているのはJR立川駅からは一番離れた、こもれびの池周辺。広大な公園内を自転車を借りてめぐることもできますが、日ごろの運動不足解消に歩きましょう。

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途中、花木園ゾーンでもロウバイと早咲きの梅を見ることができます。周りに人がいないのを見計らってマスクを外し、ロウバイの甘い香りを思いっきり楽しみます。そう、これよこれ、この香りが私にとっての“春一番”。梅は咲いてはみたものの,、風の冷たさに凍えているような風情で、ちょっとかわいそうになってしまいました。

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こもれびの池まで来ると本数も多くなり、ここだけ一足先に春が来ているようです。梅にもいろいろ品種がありますが、梅のイラストを描いてごらんなさい、と言われたら誰もが思いうかべる一重で花弁の丸い梅が好きみたい。どんな花も原種に近い方が香りが強く、可憐さも優っている気がするのは気のせいでしょうか。

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どの木も、全体的に咲いている割合はまだ少ないけれど、枝先には花芽がいっぱい!あと2週間もすればきれい咲きそろいそうです。その頃には早咲きの桜が目を覚ますでしょう。モノトーンだった街が鮮やかに色づくのも、もうすぐです。

 

 

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朝のBGM

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休日も仕事の日も、起床時間は季節を問わず朝の5時。日の出が遅い季節は、起きる時間を遅くした方が体のためには良いらしいけれど、生活リズムがそうさせるのか、何時に寝ても5時にはいったん目が覚めてしまいます。

冬の5時台はまだ太陽が顔を出す気配もなく、小鳥たちの鳴き声さえしない静寂の時間帯。違いがあるとしたら、こよなく愛するこの静けさを、休日は心行くまでゆっくりと楽しめることでしょうか。

濃紺だった空が少しづつグラデーションに染まりだす頃、読んでいた本を閉じ、オーディオのスイッチを入れます。

朝のBGMは決まって、インターネットラジオJazz radio.com。プログラムのひとつ、Paris Cafeは軽やかな曲が多く、1日の始まりにはピッタリなのです。

www.jazzradio.com

Jazz radio.comは、その名の通りジャズ専門のインターネットラジオで、多数のチャンネルがあります。各チャンネルはそれぞれのジャンルのエキスパートが手作業で選曲しているそうで、それが長年聞いていても飽きない秘密なのかもしれません。

朝や休日のブランチには「Paris Cafe]

家事や料理のおともには「MODERN VOCAL JAZZ」「SMOOTHVOCALS」

夜、まったりと落ち着きたいときは「VOCAL LEGENDS」

を聞くことが多いです。

「Coffee Jazz」もクラシックな雰囲気を楽しみたいときにはうってつけ。「Paris Cafe]がオープンカフェのイメージなら、「Coffee Jazz」は昔ながらの重厚な喫茶店のイメージと言ったところ。その時の気分やシチュエーションでチャンネルを選べるので、休日、家に居る時はほとんどこのラジオで音楽を聴いています。

無料版だと時折広告が流れますが、私は気になりません。CMが英語だからなのか、外国のラジオを聴いている感があって、かえって良かったりします。

さて、今日はどのチャンネルをBGMに過ごそうかしら。

 

 

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第四のミッション(前編)レンタル返却

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コロナがまん延し始めたおととし。私にもテレワークの波が押し寄せました。「くつろぐ」要素すら無い家の中。自宅で仕事をすることなど想定されていようはずもありません。食事を摂るテーブルとイスはありましたが、長い間使ってきた椅子の座面には凹みがつき、長時間同じ姿勢を保って仕事をするには不向きでした。しばらく我慢していましたが、次第に体のあちこちが痛み出し、しまいには肩が動かなくなるという事態に。これは早急に仕事机にも代用できるようなテーブルと椅子を買わなければ・・・。しかし、そうもいかない事情がありました。次の更新までには引っ越しをするつもりなのです。この段階で買ってしまって、果たしてそれは次の部屋のインテリアに合うのだろうか。簡単に買い換えられるものではないし、でもこれを使い続けるのは体がもたない。そうだ!レンタル!

一人暮らしを始めた頃、テーブルをレンタルしたのを思い出したのです。当時のレンタル家具は品数も少なく、一時しのぎに使う程度のものが借りられるだけでしたが、サブスクが広まっている今なら増えたにに違いないと思って探したら、あったあった、ありました。

家具のレンタル、と一口に言っても、買取ができるタイプとレンタルのみのタイプがあるようです。落ち着いたら自分好みのテーブルと椅子を買うつもりだから、レンタルのみで安く借りたい、と選んだのはCLASでした。

clas.style

私が利用し始めた頃は、最低レンタル期間や返却手数料がかかっていましたが、今はそれが撤廃され、気軽に借りられるようになったようです。レンタルが初めの方、短期間で借りたい方、いろいろ試してみたい方にお勧めです。

買取もできるのはair room。レンタル料はCLASに比べると高めですが、インテリアショップで見かける家具が多くある気がします。いずれは買いたいと思う家具をお試し感覚で借りられるのではないでしょうか。

air-room.jp

最近はあの無印も家具のサブスクを始めました。今はもう、所有にこだわる時代ではありません。服を着替えるように家具を替えても良いのだと思います。かわいいと思った椅子が座りにくかったり、テーブルが思いのほか大きかったとか、たくさんの家具を見て触れて試してみることは、インテリアの勉強にもなるはずです。

さて、あともう少しで借りたテーブルとイスともお別れ。先日、気になっていたお店で意を決してオーダーしてきました。1か月後には我が家にやってきます。実際に部屋に置いたらどんな感じになるのかしら。今からドキドキです。

 

 

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読書記録~ジジイの片づけ~

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コロナが日本に蔓延し始め、前代未聞の「緊急事態宣言」が出されたころの事。以前よりゴミの量が増えたとニュースが流れていました。外出もままならず、家でできる気分転換は「断捨離」だと考えた人は多いらしく、今がチャンスとばかりに不用品を処分した結果だそう。当時は感染者が増え、ゴミの回収に支障が出る地域があったから、ちょっとした社会問題だったように記憶しています。物が豊富にある時代、いつの頃からか「片づけ」は国民的課題になってきました。この本は著者の「片づけ」の心得やエピソードを、イラストレーターならではの独特な目線でユーモラスに綴ったエッセイです。

 

www.shueisha-cr.co.jp

部屋をモノであふれさせるのが喜びであったはずが、いつしかその生活が疎ましくなり始めた著者。趣味の山登りを通して「片づけ」は若い頃から習慣として身についているけれど、目指しているのはミニマリストでも断捨離でもない。快適に生きるための手段として「片づけ」を行うのだと言い切ります。

「片づけも一汁一菜」

毎日行う片づけというものは、人を羨ましがらせたり幸せを見せつけたりするるためのものではない。自分が快適で心地良く、健康で幸せに生きるためのつつましい日課である。

なんのために片付けるのか、を明快に説いた一文だと思います。生活感の無い部屋を好む人もいれば、多少散らかっている方が落ち着く、という人もいるでしょう。研究者や作家の、本や資料に囲まれた無秩序に見える部屋も、実は彼らなりのルールで片付いていたりするものです。モデルルームのような空間にすることが正解なのではなく、どんな状態であれ、住み手が快適であればそれで良いのだと思います。

「明窓浄机の部屋」

ものを置かないということは、決断力を鍛えることでもある。

~中略~

隠遁とは老いた者だけに許される身分ではない。何歳であろうと、無駄なもののない空間で、清らかな時間を持てることは宝であり、その精神的な贅沢こそが隠遁なのである。

都会にいながら清く静かな生活を求めるのが隠遁術である、と言う著者。それは魅力的な部屋に住む著者の友人・知人の暮らしからもうかがい知ることができます。彼らの部屋はきれいに片付き、何を置くか厳しく見定め、必要ないものは買わない。俗世間の価値観や他人の評価・評判から離れ、自分の心にのみ耳を傾ける生き方は、まさしく「清く静か」であると言えましょう。

さぁ、そうとなったら部屋を片付けないわけにはいきません。忙しさを理由に、テーブルの上は散らかりっぱなし。片づけ一汁一菜の精神で取り組みますか。

 

 

 

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海のものと山のもの

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食事は基本、自炊。疲れているときほど自分で作ったものを食べる方が回復が早いのです。普段はお弁当を作って持っていくのですが、事務所以外の場所に出かけることが多くなると、そもそもの買い物を控えてしまい冷蔵庫が空っぽ、なんてことが多々あります。そんな時に呪文のようにつぶやくのが「海のものと山のもの」。これは戦前の日本の小学校で実践されていたお弁当のルールなのです。

 

「窓ぎわのトットちゃん」をご存じでしょうか。黒柳徹子さんの小学校生活を綴ったノンフィクションは世界中で翻訳され、大ベストセラーとなりました。私がこの本を読んだのは高校生の時。トットちゃんが大切なお財布を“ポットン”つまり昔の汲み取り式のおトイレに落としてしまうエピソードを、英語の副読本として渡されたのがきっかけでした。

最初に入学した小学校を退学になり、トモエ学園に通うことになったトットちゃん。まだ学校給食など無い時代、お昼のお弁当について、トモエ学園の小林校長先生はトットちゃんのママにこう伝えました。

「海のものと山のものを入れてください」

海のものとは、海産物やそれが原料となっている加工食品。山のものは野菜や卵、お肉など、陸にいるもの、採れるものを指します。それを一つずつ入れてほしい、というのが校長先生からのお願いでした。

お弁当時間になると生徒全員が講堂に集まり、みんな輪になって食事を摂ります。広げたお弁当を校長先生が見て回り、どちらが欠けていると、後ろからついてきている先生の奥様に「海!」と言えばちくわの煮物が、「山!」と言われればお芋の煮っころがしが生徒のお弁当箱に入れてもらえるのです。なんて素晴らしいアイデアなのでしょう!海と山がそろうことで子供が劣等感を抱くことなく、楽しく食事ができたであろうことは、容易に想像がつきます。

この「海のものと山のもの」の考え方は、自分が食事を作るときに大いに役立っています。例えばメインは生姜焼きと決めたら、副菜はワカメときゅうりの酢の物とかキャベツとツナのサラダ、面倒なら蒲鉾を切るだけでOKと思えば気が楽というもの。細かいことを考えなくても、自然と栄養バランスも整います。

今の第6波では子供たちにまで感染が及び、休園や休校が増えていると聞きます。献立に頭を悩ませているお母様がいらしたら、ぜひこの「海のものと山のもの」を実践してみてほしい。何が海で何が山かを一緒に考えることは食育にもつながると思いますし、会話も弾むことでしょう。

 

 

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価値は自分で決める

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うぅ、寒い・・・。こんな日は味噌ラーメンが無性に食べたくなります。帰り道のスーパーで買った麺とスープに、野菜を刻んで乗せれば出来上がり。いつもの、大ぶりのお椀に盛り付けます。ラーメン以外の麺ものはもちろん、具沢山みそ汁でも丼飯でも、何でも受け止めてくれる“この“器の大きい器”と出会ったのは、一人暮らしを始めたばかりの頃でした。

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最初に住んだ街は、名物商店街がある東京の下町。いろんなお店が軒を連ねていて、眺め歩くだけでも良い気分転換になったものです。

ある日、いつものようにぶらぶらと商店街を歩いていると、食器を売るお店の前で大ぶりのお椀を見つけました。マグカップでみそ汁を飲む生活から、そろそろ卒業したいと思っていた頃で、

「これはいいよ。もうこんな地の厚いお椀は手に入らなくなる。柔らかいスポンジで洗ってあげれば長持ちするから買っておきな。」

お店の人にそう声を掛けられよく見れば、どんぶりとしても汁椀としてもちょうど良さそう。1つ400円ならためらう金額でもなく、その場で2つ購入しました。

あれから幾年月、ずっと手放すことなく使い続けてきた結果、1つは塗りは剥げ、だいぶみすぼらしくなってきてしまいました。けれど捨てるにはあまりにも忍びない。これって塗り替えられるのかな・・・。

何とか方法は無いものか、と探したところ、日本橋に漆の塗り替えをしてくれるお店があることがわかりました。

淡い期待を抱きお店を尋ねると

「塗り直しはできなくはないけど、これは木の粉を集めて作った器で基本は使い捨て。塗り替えは高くつくから、気の済むまで使って処分したら?」

重ねてお願いすれば請け負ってくれたかもしれませんが、高級品でなくとも気に入っていて、ずっと使い続けたいという思いを汲んでもらえないのなら、この店に依頼する必要はありません。

それでもどうしてもあきらめきれず、どのくらい探したでしょう。

「自社で販売した製品でなくても、塗り直しできるものなら何でも承ります。」

と謳っているお店を見つけた時は、体に電流が走りました。

ここならきっと直してくれる!このお店に断られたら、その時はきっぱりあきらめよう。早速、今までのいきさつと器の写真をお店にメールしたところ、塗り直しできます、とお返事をいただきました。この時の喜びは言葉にし尽くせないものがあります。

monomono.jp

 

わが子を送り出すような気持ちでお店に発送し、待つこと1か月半。マットな地肌に塗り替えられたお椀は、しばらく見ないうちに大人になって・・・といいたくなるような上品さが備わっていました。

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漆で塗りなおされた器はシックで上品

確かに塗り替えは、質の良い塗り物のお椀が一つ買えるくらいの料金がかかりました。けれど私には、どんな高級品よりも価値があるお椀なのです。価格が安いとか高いとかは全く関係ない。価値は自分で決める。それはささやかな私の矜持かもしれません。

 

 

 

 

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